妊娠していても仕事で通勤する場合や、病院の検診などでは電車に乗らなければならない状況は数多くあります。しかしながら、安定期前だとつわりがひどかったり、お腹が大きくなってからは急に気分が悪くなったりして、たくさんの人が利用するラッシュ時車内では思いがけないトラブルに遭遇してしまうかもしれません。
なにより、人に押されたり、ドアに挟まれたりすればお腹の赤ちゃんに影響がないか心配です。
では、妊娠しているときに電車に乗らなければならない場合は、どんなことに注意すればよいのでしょう。
【転倒などを予防する】
そもそも、揺れたり急停車したりする可能性がある電車内では常に転倒の危険が伴います。妊娠中は転倒するとおなかの赤ちゃんに悪影響を及ぼします。このため、体を安定させるために必ずバーやつり革につかまって転倒を予防しなければなりません。
特にラッシュ時車内では人に押される危険が高いので、できるだけおなかを守るために車両の継ぎ目など、乗る位置を工夫することが大切です。また、安定感の高い靴を履き、荷物は両手を使える状態にできるバックなどに入れてを持つようにしましょう。
【つわりの対策をして乗車する】
安定期前のつわりの酷い時期は、さまざまなにおいに敏感になる方も多くいます。つわりの時期を過ぎれば気にならなくなるものですが、におい対策にはマスクを着用することが有効です。マスクをするとにおいを一定程度軽減することができます。
また、マスクをしていればたくさんの人が密集しているラッシュ時車内で感染症を予防する役割も果たせます。
そのうえで、入り口近くや入り口の方を向いて乗車すれば、駅に停車するたびに扉が開くことで換気されるのでよりにおいを気にしなくて済みます。ただし、入り口近くは乗降する人にぶつかりやすいので立つ位置に注意して転倒しないようにしなければなりません。
このほか、電車に乗車するときにつわりが心配なら、レモンや梅干しなど、酸味のある飴を携帯すると、簡単に口に入れることができて、気分をすっきりさせることができます。
また、妊娠中は乗り物酔いしやすいので、スマートフォンを見たりや本を読んだりするのは避けたほうがよいでしょう。立っている場合には片手が塞がってしまうので、突然の揺れや急停車に対応できないこともあり危険も増してしまいます。
【体調の急変に備えて必要なものを携帯しておく】
妊娠しているときは思いがけない体調の変化に見舞われるものです。このため、通院の際でなくても保険証や産婦人科の診察券、母子手帳などは常に携帯しておくべきです。いざというとき、タクシーなどに乗るために、余分に現金をもって出かけることも大切です。
また、鉄道会社各社や自治体の窓口などで無料で配布されているマタニティーマークを持っていることも有効です。マタニティーマークは妊娠中であることを示すもので、周囲の理解を得たり、非常時には助けを求めたりすることもできます。
【ラッシュ時を避ける】
そして、もっとも大切なことは、電車を利用する際はできるだけラッシュ時を避けるということです。ラッシュ時でなければ、目的地まで座って移動することもでき、体への負担も軽減できます。通勤で利用しなければならない場合は会社に出勤時間の変更を相談するなどし、できるだけラッシュ時を避ける工夫をしましょう。
それでも、ラッシュ時を避けるのが難しいのであれば、混雑しやすい「急行」や「快速」などを避けて利用するとよいでしょう。そのぶん通勤時間はかかってしまいますが、鈍行ならある程度空いている場合もあります。
あるいは、最近では特定の列車に指定席をもうけている路線もありますのでそういった席をあらかじめ予約して利用するなど、混雑を回避する工夫をするとよいでしょう。
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