節分には「豆を食べる」と当たり前に思っていましたが、どうして豆を食べるのでしょうか?
節分に豆を食べる由来や意味などを知りたいですね。
そこで今回の記事では節分に豆を食べる由来や意味、歴史的背景などを子供でもわかるように解説します。
節分の由来とは
節分は2月3日の年1回と思われていますが、元々は「立春」「立夏」「立秋」「立冬」の前日を節分としていました。季節の変わり目にあたる日が節分だったのです。
2月3日のみ節分となったのは「立春」が一年の始まりで一番重要とされている考えが強くなったことが現代の節分の始まりとされています。
2021年の節分が2月2日になるのは、立春が天体の動きによって二十四節気(にじゅうしせっき)と365日との間に6時間のずれが出てくることから2021年は2月3日が立春なので2月2日が節分となるのです。
二十四節気(にじゅうしせっき)とは、1年を24等分にして季節のずれを正しくするための区分となります。
節分の意味とは
節分とは冬の終わりをつげ新しい季節の区切りとなる日のことです。身体についた悪いものや邪気を取り払い新年に幸せが訪れるように節分という行事が日本で行われるようになりました。
今では1月1日が1年の始まりですが、昔は立春が1年の始まりだったのです。
豆まきにかかせない「鬼」という存在は「悪い物」を表すのです。豆まきは鬼が活動する夜に行い、鬼を家から追い出すために部屋の奥から玄関へ向かって豆を投げていきます。
方角で豆まきの順番を決めることもあり、鬼が入ってくるのは北東(鬼門)ということから最初に北東から豆まきする場合や一番遠い南西から始めて最後に北東にまくこともあります。
炒った豆を使うのにも意味があり、生の豆のまま豆まきすると拾い忘れた豆から芽がでてくることがあります。芽がでてくるのは縁起が悪いとされています。
「炒る」という言葉も「射る」と同じ響きなので「鬼を射る」という意味にもなっているのです。
地域によって豆まきに違いがあるのでしょうか?
地域による豆まきの違い
ここからは地域による豆まきの作法の違いを紹介します。
北海道や東北地域
北海道や東北では大豆ではなく落花生を使います。理由はこの地域は雪が降る時期で雪がとけてから豆を拾うので、殻にはいっていて大きくてわかりやすい落花生が節分に使われるようになったのです。殻に入っているから雪の中に落ちても衛生的です。
ちなみに数え方は殻にはいった状態で数えます。落花生がよくとれる宮崎県や鹿児島県でも落花生が使われているようです。
関東地方
関東地方では節分にけんちん汁を食べる風習があります。寒い冬に温かいけんちん汁を食べて健康に過ごす行事食でしたが、節分に食べる習慣へと変化していきました。
群馬県藤岡市(旧・鬼石町)では掛け声が「福は内、鬼は内」なんです。これは鬼が投げた石でできた町ということから全国の鬼を迎え入れる風習からきています。
関西地方
関西から広まった風習で有名なのが恵方巻です。恵方巻は江戸時代に大阪で商売繁盛を願い、節分にお祝いをしたのが始まりとされています。
恵方巻を1本食べることで商売繁盛の運を一気にいただくという意味がこめられているのです。
京都や西日本ではイワシを焼くときの煙が鬼を遠ざけるとされています。玄関飾って厄除けにする風習のあり地域もあります。
四国では節分には「こんにゃく」を食べる風習があります。これは「すなおろし」と言って身体の中の砂を出して身体を清める意味があります。
節分の歴史とは
節分の歴史は古くからあり、日本ではなく中国に伝えられていた「追儺(ついな)」という儀式が始まりとされています。
昔の中国では病気や悪いものを追儺と呼んでおり、厄をお祓いする儀式を行っていました、病気や災害などの悪いことは鬼の仕業だと思われていたのです。
奈良時代になって中国から日本に伝わり、当時日本で流行していた疫病をお祓いするために追儺が行われたのが節分の始まりとされています。
平安時代になり宮中で鬼祓いが行われるようになり、江戸時代以降になると庶民の間でも節分が行事として行うようになりました。
豆には鬼を退治する効果があるとされていたのです。豆には「魔を滅する」という意味があります。
「魔を滅する」というのは、昔京都に鬼がでたときに大豆を鬼の目に投げて退治したという話からきています。
他にも豆は米粒より大きいので、魔除け霊力が込められており厄払いの効果が大きいとされていました。
まとめ
節分について紹介しました。
まとめると
・重要な1年の始まりの立春の前の日を節分とした
・新しい季節に幸せが訪れるように厄払いするために豆まきをするようになった
・地域よって風習の違いがある
・節分の文化は中国から伝わった厄払いの儀式
ということでした。
2021年は(昭和59年)1984年の2月4日の37年ぶりに日付が変わり2月2日となります。「あれ?節分は2月3日じゃないの」と思った方も多いのではないでしょうか。節分が2月2日となるのは(明治30年)1897年の124年ぶりとなります。
節分も意味や長い歴史があり、地域によっても風習も違いがあります。今までは特に意識せずに過ごしていた節分も意味や歴史を考えてみると、これまでとは違った節分が過ごせるかもしれません。