7月23日(金)より、東京五輪、東京オリンピックが開幕いたしました。
開会式の視聴率も50%を超え、国民の注目の高さが伺えます。
初日より連日の金メダル獲得というゴールドラッシュ状態に日本国が湧いております。
さて、オリンピック開幕前に、一番金メダルに近いとよばれていた競技はご存知ですか?
今回の東京オリンピックから採用された、日本の伝統武道空手
空手の形競技が、金メダルに一番近い競技と呼ばれていたのです。
今回は東京五輪、東京オリンピックの空手の形の競技についてご紹介していきます。
空手の組手とは何?
空手は大きく分けて、組手と形の2つあります。
組手は、突きと蹴りによる一対一の攻防になります。
ちなみに、空手も大きく分けると2つあり
寸止めが基本の空手道と、ノックアウト制の極真空手です。
皆さんご存知の、K1などに出てくる空手選手は
基本的に極真空手になります。
空手道が寸止めなのは、攻撃する箇所が急所だからです。
突きにしても、極真空手はノックアウトなため
振り抜く突きになりますが、空手道の突きは
急所をついてから、すぐに引く突きになります。
つまりパワーではなく、スピードを求められるのが空手道です。
しかし、寸止めとはいえ、お互い真剣勝負なわけですから
組手の試合中に当たってしまうことは多々あります。
そのため、試合では拳には拳サポーター、体には防具を取り付けます。
急所を攻撃できているかをポイントで換算する
ポイント先取制で試合が行われます。
空手の形とは何?
さて次は、空手の形ついてです。
空手による、古くから伝わる攻防の技を、一連の決まった動きにまとめたものです。
仮想敵と闘うという設定のもと、単独で演じるのです。
これらの合計で勝敗を決めます。
では、この空手の形が、何故金メダルに一番近い競技なのかという説明をします。
海外においてスポーツとは相手を倒す、もしくは勝敗を決する事を前提としているものが多いのです。
特にボクシングやレスリングなどの格闘系スポーツは、特に相手を倒すことを前提としています。
しかし日本のスポーツ、特に武道と呼ばれるものは
武士道の伝統に由来する、武技の修錬による心技一如の運動文化であり
心技体を一体として鍛え、人格を磨き、道徳心を高め、礼節を尊重する態度を養いながら
人間形成の道を学ぶものとされております。
そのため、勝っても負けても必ず試合後には一礼をするのが
武道では当たりまえのことです。
そして武道の稽古の中に、攻撃防御の理合いを習得するための形稽古というのがあります。
剣道においては日本剣道形、柔道においては柔道形と呼ばれております。
練習や、級審査、段審査などでは、たまに見かけることがありますが
剣道や柔道においては、一対一での試合が主流になりました。
しかし空手道における形に関しては、
演じ手による美しさを点数で競うものとして
古くから試合などで競われてきました。
今回の東京オリンピックでは、
一対一による組手だけではなく、形に関する種目とされたことが大きいと思います。
例えば、前回のリオオリンピックより前は
空手の競技はありませんでした。
ですので空手経験者がオリンピックに出場したい場合には
テコンドーなどに鞍替えするしかありませんでした。
他には、弓道をやっている者がオリンピックに出たい場合には
アーチェリーに鞍替えするしかありません。
このように、自分のやっているスポーツに似たスポーツで
鞍替えしてオリンピックに出る選手は沢山います。
しかし今回の空手の形競技に関しては
日本武道固有のもので、世界に似たものがなく
鞍替えしてくる選手がいません。
その点でも、日本選手は有利だといえます。だから金メダルがもっとも近いと言われているのです。
日本代表は喜友名諒選手と清水希容選手
空手の形競技は、8月5日と6日に日本武道館で開催されます。
喜友名も清水選手も、世界選手権優勝の常連さんです。
東京五輪で初競技となる空手の形
楽しみですね