核シェアリングの意味について知りたいですか?
傘下との違いや日本の場合、ドイツの場合について解説しています。
核シェアリングの意味について興味がある方はぜひご覧ください。
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核シェアリングの意味とは?NATOの核抑止政策
核シェアリングとはニュークリア・シェアリング(Nuclear Sharing)のことで、核共有とも言います。
NATO(北大西洋条約機構)における核抑止政策の概念で、NATOが核兵器を使用するために、「NATO加盟国のうち核兵器を持たない国が加盟国の核計画的に関与する」ことです。
核が使用される場合、加盟国の軍隊が核兵器を運搬することが取り決められています。
核シェアリングと核の傘下との違いとは?
核シェアリングと核の傘下との大きな違いは核を持っていない国の自主性です。
核の傘下では核を持っていない国は核を持っている国に守ってもらうだけで自主性はありません。
しかし核シェアリングになると計画的に関与することができるため自主性があります。
核シェアリング~日本の場合~
それでは日本の場合の核シェアリングについて解説していきます。
つまり同盟国であるアメリカの核を日本に配備して、アメリカと日本の両国が共同で核兵器を運用する仕組みのことを指します。
現在の日本は日米安保条約があるため、自国の領土が周辺諸国から攻撃されたときにアメリカが守ってくれるようになっています。アメリカが核保有国ですから、アメリカの同盟国である日本を攻撃するには難しいです。しかし最近の周辺諸国の様子を見るとアメリカの核が遠くにあるので日本に手出ししても大丈夫かも?と考えているふしもあります。
それを一歩進めたのが核シェアリングです。
日本とアメリカの核シェアリングが行われれば。周辺諸国が日本に手を出そうものなら日本にある核をすぐに使うことができるため、協力なおどしになります。
2022年3月3日のニュースでは安倍晋三元総理大臣は自民党の会合で「核シェアリングの是非について議論すべき」と主張したそうです。
「ウもしNATOに入っていたら、このような形(ロシアに侵略される)にはなっていなかっただろう。そこでいまこそ現実の中で議論するのは当然なんだろう」
と述べています。
https://www.m-style.info/2022/03/04/eunato2/
https://www.m-style.info/2022/03/07/donetsk/
https://www.m-style.info/2022/03/06/lugansk/
日本で核シェアリングの議論が進まない理由
日本ではどうしても核の議論が進まないという印象がありますよね。それってどうしてなのでしょうか?
1.長崎、広島に原子力爆弾を落とされて、核と聞いただけでアレルギー反応を起こす人たちがいる
2.非核三原則「持たず、つくらず、持ち込ませず」の原則に反すると考える人がいる
これが大きな理由です。
もちろん核については慎重に取り扱うべきですし、核シェアリングについても慎重に議論されるべき問題です。
しかし、隣国の脅威が増しているいま、核について目を背けるだけでなく議論することが必要になってきたのではないでしょうか?
核シェアリングの意味~ドイツの場合~
それでは次にドイツの場合について解説していきましょう。ドイツは第二次世界大戦の敗戦国です。ということはつまり日本と同じく核を持っていない国です。
そんなドイツはNATO加盟国です。核シェアリングが行われてドイツにはアメリカの核兵器が配備されています。もし万が一の場合にはドイツの戦闘機に搭載して、爆撃できる体制をとっています。
そのためNATOの核シェアリング政策で、ドイツは自国が核をもっていなくてもアメリカの核を自国の中に置くことができ、いざとなったら使うことができるようになっています。