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『護られなかった者たちへ』内容解説、原作との違い、かんちゃんは?ネタバレ

令和3年10月1日より、佐藤健主演の映画『護られなかった者たちへ』が公開されました。

この映画は、ベストセラー作家の中山七里氏の『護られなかった者たちへ』(NHK出版)が原作となっております。

今回は、原作と映画の違いについて書いていきたいと思います。

カンちゃんが男の子から女の子へ

『護られなかった者たちへ』で重要なポジションになるのがカンちゃんです。

佐藤健氏演じる、主人公の利根泰久の過去で、優しく接して面倒を見てくれたお婆ちゃんが、
倍賞美津子氏が演じる遠島けいです。
そして、けいが面倒をみていたもう一人の男の子が
けいさんの3軒隣りに住むカンちゃんでした。

しかし映画では設定が女の子になっており、大人になったカンちゃんは
清原果耶氏が演じておりました。

清原果耶氏は、NHK朝の連続ドラマ小説『おかえりモネ』のヒロインで
事務所としてもこれから売りだしていきたい若手女優です。

映画『護られなかった者たちへ』の制作会社はアミューズです。

映画に出演しているアミューズタレントは

役名:利根泰久 演者:佐藤健
役名:円山幹子 演者:清原果耶
役名:櫛谷貞三 演者:三宅裕司 
主題歌『月光の聖者達(ミスター・ムーンライト)』桑田佳祐

そうです。
主要な部分をアミューズ勢がおさえて抑えているのです。

つまり、清原果耶を売りだすために
カンちゃんを女性にしたの?

と、つい予想したくなってしまいますよね。

三人の出会いが、震災の避難所

けい、利根、カンちゃんの出会いですが
原作では、利根にからんでしたチンピラに
けいが部屋から水をかけて助けたことが切っ掛けでした。
利根が、けいの家に訪れると三軒先のカンちゃんが遊びに来ていたという設定でした。

しかし映画では、三人とも東北大震災の被災者で
避難所で出会うという設定でした。

そもそも設定では、被災地の困窮した場所で
生活保護受給者が増え、上から予算を押さえるように指示された三人
三雲忠勝、城之内猛留、上崎岳大が、生活保護の申請が通らないようにとりはからい
逆恨みを受けて●されたという設定でした。

しかし原作の流れとしては、あくまでサスペンス小説。
殺された一人目の三雲は生活保護担当者
二人目の犠牲者城之内も、以前三雲と同じ職場。
その職場で起こった放火事件から
放火犯の利根が容疑者として浮上する・・・

このような流れで、設定は被災地の後でしたが
ストーリーの流れはサスペンスでした。

しかし映画では、被災時の避難所の様子が多く描かれ
サスペンスというよりは、ヒューマンドラマという色がとても濃い内容でした。

今回の映画監督は、『8年越しの花嫁 奇跡の実話』や『糸』などの
ヒューマンドラマに定評のある瀬々敬久氏です。

その為、被災地の避難所シーンが多く描かれたものだと想定されます。

その他の原作との相違点

このような感じで、細かく説明していきながら相違点を紹介していくと終わらないため
最後に気がついた原作と映画の相違点をまとめて羅列させていただきます。

・城之内 猛留 原作:県議会議員 映画:杜浦市社会保険事務所元所長 
・上崎 岳大 原作:買春ツアーのあっせん業 映画:国会議員
・利根による上崎への接触場所 原作:空港 映画:上崎後援会
・大人になったカンちゃんとの出会い 原作:最後のみ 映画:途中と最後の二回
・利根とけいの出会い 原作:けいのアパートのとなり空き地 映画:被災地避難所
・カンちゃん 原作:男の子 映画:女の子

このように原作と映画の相違点がかなり多いなって感じました。サスペンス映画だと思って見に行くと、ちょっと展開が違っていて驚きました。

またカンちゃんが女性だったことで、女性一人で大人の男性を●すことができるのか、ちょっと無理があるような感じがしました。

全体的に東日本大震災についてのシーンが多く、このドラマの根底にある生活保護を受けられなかった護られなかった人々、
それから現在の日本の福祉制度に対する疑問、問いかけに対する描写が少なかったように感じます。

私は、この原作を読んで、「日本の福祉制度がこのままでいいのかな、本当に必要な人に必要な手当てが行きわたっていない現実があるんだな。」
といことを感じました。

そのあたりの深い闇をもっと描写してもらいたかったと感じます。